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百鬼夜行絵巻 (松井文庫) : ウィキペディア日本語版 | 百鬼夜行絵巻 (松井文庫)[ひゃっきやぎょうえまき]
『百鬼夜行絵巻』(ひゃっきやぎょうえまき)は、熊本県八代市の財団法人「松井文庫」が所蔵する日本の妖怪絵巻。『百鬼夜行図巻』とも。八代城主の松井氏に伝えられた絵巻物であり、制作は1832年(天保3年)。作者は巻首に「尾田淑」と記されており、江戸時代の八代の絵師・尾田淑太郎(郷澄)である。。 == 概要 == 百鬼夜行とは、妖怪たちが集団で跳梁する様子のことであり、室町時代に描かれた『百鬼夜行絵巻』などはその通り妖怪の集団が行列をしている様子を描いたものだが、本項の『百鬼夜行絵巻』はそれとは異なり、妖怪を描いた個々の絵1点1点に名称を添えて紹介しており、図鑑またはカタログに近い様式をとって製作されている(ただし、2体に名称が添えられていない)。題は多数の妖怪が描かれていることを示して「百鬼夜行」と名付けられたと考えられている。 冒頭には行灯を取り囲んでいる人々の絵が描かれており、これは百物語を行っている人々の様子を描いたものであろうと見られている。 本作品と同様の形式で妖怪を多く描いてる妖怪絵巻は、1737年(元文2年)に佐脇嵩之によって描かれた『百怪図巻』などが知られているが、本作品に収録されている妖怪の数は『百怪図巻』の倍近くの58点におよび、2006年(平成18年)までに確認されている妖怪絵巻の中では最も多くの妖怪を収録した作品である。その中には河童・ろくろ首・雪女などのように説話や民間伝承の上でその存在が知られているもの、ぬらりひょん・赤舌・黒坊などのように詳細は未確認だが『百怪図巻』などの絵巻物に描かれているもの、後眼・胴面・いそがし・五体面など『百怪図巻』の系統には見られないが他の妖怪絵巻(『ばけ物つくし帖』など)に類例の見られるもの、海座頭・牛鬼・手目坊主などのように鳥山石燕による『画図百鬼夜行』の模倣と見られるものなどがある〔〔湯本豪一 『妖怪あつめ』 角川書店、2002年、70頁〕。 収録数の多さや、『百怪図巻』の系統には見られない妖怪が多く含まれている事から、本作品は図鑑様式の妖怪絵巻の研究の上、重要な資料であると評価されている〔『ばけ物つくし帖』など、21世紀に入って新たに確認された資料によって、本作品のみが独自に描いていると見られていた妖怪が他の妖怪絵巻の類にも描かれているという事実も確認された〔。
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